「子ども YouTube 中毒」などで検索して、この記事にたどり着いた方へ。我が家では2歳後半の子どもが、起床直後から食事中、遊びの最中、寝る前までYouTubeをねだる状態でした。
iPadやスマホを取り上げると20〜30分癇癪が続き、結局こちらが根負けする毎日です。電車移動や外食時の注意そらしとして使い始めたYouTubeが、イヤイヤ期と重なって、依存のような状態になってしまいました。
そんな我が家が、YouTubeを禁止も制限もせず、iPadをグレー表示(白黒画面)にしただけで、1ヶ月後には就寝時間が30〜60分前倒しになり、癇癪も大きく減りました。この記事では、対策前の状態から1ヶ月後の変化まで、実体験をもとにまとめています。
※この記事は、「YouTubeを完全にやめさせたい」という方向けではありません。生活が回らなくなるレベルの依存を、現実的に緩和したい家庭向けの記録です。
対策前|起床から寝るまでYouTube漬けの生活
対策前は、本当に一日中YouTubeでした。
- 起床直後に「YouTube」
- 食事中も「YouTube」
- 家で遊ぶ時もつけっぱなし
- 寝る前もYouTubeを見ながらでないと寝ない
iPadやiPhoneが中心で、取り上げると激しい癇癪。20〜30分続くことも珍しくなく、「今日はもういいか…」とこちらが折れてしまうことがほとんどでした。
中毒が強まっていた時期は、TVだけでは物足りないのか、TV+iPadの二刀流になることもあり、親のスマホを奪い取る行動もよく見られました。
そもそも、なぜYouTube依存が進んだのか
YouTubeを使い始めたきっかけは、よくある理由です。
- 電車やバスで静かにしてほしかった
- 外食中、周囲に迷惑をかけたくなかった
1歳過ぎから「注意そらし」として使っていました。そこにイヤイヤ期が重なり、だんだんとYouTubeが生活の中心になっていったように思います。
当時は「仕方ないよね」「みんな見てるし」と思っていましたが、 気づけばYouTubeがないと生活が回らない状態になっていました。
実際にやった対策は「YouTubeをグレー表示」にしただけ
やったことは、とてもシンプルです。
- 子どもが使うiPadを常時グレースケール(白黒表示)
- 視聴時間の制限はしない
- YouTube自体も禁止しない
親のiPhoneも、最初の5日ほどはグレー表示にしました。(子どもが親のスマホを欲しがることがあったためです。)
「制限しない」「禁止しない」ことは、最初から意識していました。無理にやめさせても、癇癪がひどくなるだけだと思ったからです。
※補足:グレー表示の前に、YouTubeのチャンネル整理も試しました。
- 「編集スピードが速すぎる動画」「親が見ていて違和感が強いチャンネル」を中心にブロック
- おすすめが英語寄りになるよう、英語の歌・アニメ系のチャンネルが多めに出るよう調整
ただ、チャンネル整理だけだとすぐ別の動画に置き換わっていたちごっこになり、正直「これで解決した」という手応えはありませんでした。
体感で一番大きかったのは、画面そのものをグレー表示(白黒表示)にしたことです。
英語チャンネルに寄せたのはYouTube対策だけというよりは、親の罪悪感を少し減らしたい気持ちと、英語の音に触れる機会としては悪くないかも、という判断もありました。
言語面への影響は別記事にまとめています。
なぜYouTubeをグレー表示にしたのか
きっかけは、ADHD向けのスマホ依存対策として知られているライフハックでした。
注意の切り替えが苦手なADHDの人が、スマホをグレー表示にすることで触る時間が減る、という話を見かけたのです。
「注意の切り替えが苦手」という点では、幼児もかなり近い特性があります。
だったら、我慢させるのではなく、刺激の強さを下げる という方法が使えるのではないかと思い、試してみることにしました。
TVのYouTubeを主戦場にしなかった理由
「TVでYouTubeを見るのも良くないのでは?」という意見もあると思います。
ただ、我が家で強い中毒症状が出ていたのは、TVではなく、iPadやiPhoneでした。
- 画面との距離が近い
- 自分で操作できる
- 動画を「選ぶ快感」が強い
癇癪が起きるのも、欲しがるのも、必ずiPadやスマホでした。一方でTVは、距離があり、操作もできず、視線も外れやすい。
そのため、依存のトリガーになっているデバイスだけを重点的に対策する方針にしました。
スクリーンタイムは有効な指標にならなかった
途中で何度も思いました。「スクリーンタイム、全然減ってないけど意味ある…?」
実際、iPadやiPhoneのYouTube時間は週によって増減があり、劇的には減りませんでした。
でも、生活の中では確実に変化がありました。
- ガン見が減り、視線を外す時間が増えた
- つけっぱなしでも見ていない
- 自分でロックすることが増えた
時間よりも、見方が変わったという感覚です。この変化は、スクリーンタイムの数字だけでは分かりませんでした。
1ヶ月で起きた変化(初期〜中期〜後期)
グレー表示を始めてからの1ヶ月は、ずっと右肩上がりだったわけではありません。
良くなったと思ったら戻ったり、正直「これ意味ある?」と感じる時期もありました。
ただ、振り返ってみると、だいたい次のような流れで変化していきました。
初期(始めてすぐ〜1週間ほど)
- iPadへのこだわりは残るものの、グレー画面自体は比較的すんなり受け入れた
- 寝つきが、気のせいかもしれない程度に少し早くなる兆しが出てきた
中期(2〜3週間目)
- 朝起きてすぐYouTubeを強くねだることが減ってきた
- 一方で、食事中のYouTubeへの集中が一時的に強まる時期もあった
- スクリーンタイムはほとんど減らず、「やっぱり効果ないのでは?」と感じた
後期(4週目以降)
- iPadをガン見する時間が減り、視線を外すことが明らかに増えた
- TVでのYouTubeでも納得する場面が増えた
- YouTubeを見たいことでの癇癪が激減
- 家でおもちゃ遊びをする時間が増えた
- 食事中、YouTubeなしで過ごせる日が半分ほどに
- 就寝時間が30〜60分前倒しで安定してきた
特に、癇癪がほぼなくなったことと、寝る時間が早くなったことは、親としてかなり大きな変化でした。
「YouTubeを見せているかどうか」よりも、生活全体が回るようになったと感じています。
やって分かった注意点とデメリット
もちろん、デメリットもあります。
- 親のスマホが見にくい
- 最初は「いつもと違う」と嫌がることもある
ただ、親自身もスマホを見る時間が減るという副産物があり、個人的には許容範囲でした。
また、すべての家庭・子どもに合う方法ではないと思います。「今すぐ完全にやめさせたい」という場合には、向かないかもしれません。
同じように悩んでいる人へ
YouTubeをやめさせる、制限する、という方法が合わない家庭もあります。 我が家もそうでした。
今回感じたのは、「やめさせる」よりも「刺激の質を下げる」方が、うまくいく場合もある ということです。
もし今、 「YouTube中毒かもしれない」と感じて悩んでいるなら、一つの選択肢として、グレー表示を試してみてもいいかもしれません。
この実録が、少しでも参考になればうれしいです。


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