「父親が育児に関わらないと子どもに悪影響?」研究結果に不安になったときの見方

父親の育児参加に関する研究を読んで不安になった人に向けて、家庭の安心感を表現したアイキャッチ画像 育児の気づき

「父親が育児に関わらないと、子どもに悪影響がある」
そんな研究結果を見て、不安になったことはありませんか。

うちも、平日は仕事で帰りが遅く、休日は正直休みたい様子。
育児にあまり参加していないように見える父親です。

だからこそ、研究記事を読むたびに
「やっぱり子どもによくないのかな…」
と、心が引っかかることがありました。

たしかに、心理学や教育の研究では
「父親の育児参加が多い家庭ほど、子どもの発達が良い傾向がある」
という結果がよく紹介されます。

でも、それをそのまま
「育児しない父=子どもに悪影響」
と受け取ってしまっていいのか。

研究と、現実の家庭。
この2つは、思っている以上にズレていることが多いと感じています。

この記事では、
研究結果を否定せずに、
でも振り回されすぎないための見方を、
できるだけ噛み砕いて整理してみます。

父親の育児参加が大事、という研究はたしかにある

まず前提として。
父親の育児参加と子どもの発達について調べた研究は、実際に多くあります。

よく紹介されるのは、こんな内容です。

  • 父親の育児参加が多い家庭ほど、子どもの発達や情緒が安定しやすい
  • 行動面や社会性に良い影響が見られることがある

こうした結果自体は、完全に否定されるものではありません。
「父親が関わることがプラスに働くこともある」
という意味では、自然な話です。

ただし、ここで一度立ち止まって考えてみたい点があります。

研究は「父親だけ」を見ているわけではない

研究で比べられているのは、
「育児する父」と「育児しない父」だけではありません。

実際には、こんな条件がまとめて一緒に含まれています。

  • 仕事がどれくらい忙しいか
  • 経済的に余裕があるか
  • 夫婦関係が安定しているか
  • 家庭全体に時間や気持ちの余裕があるか

つまり、
「父親が育児しないこと」だけを取り出して
子どもの発達と比べているわけではないのです。

育児に参加できる父親がいる家庭は、
そもそも家庭全体に余裕があるケースも多い。
その影響も、まとめて結果に反映されています。

心理・教育系の研究は、条件が違いすぎる

心理学や教育の研究は、
人の生活を扱う分野です。

でも、人の生活って、家庭ごとに違いすぎます。

  • 仕事の忙しさ
  • 性格
  • 家庭環境
  • 周囲のサポート

どれか一つだけ同じ、という家庭はほとんどありません。

こうした研究は、
「こういう傾向が多いですよ」という大まかな地図のようなものです。

でも、
「あなたの家庭はここにいます」
「この道を進めば大丈夫です」
と教えてくれるナビではありません。

研究結果だけで、今の家庭の状態をそのまま判断するのは難しいのです。

働きまくっている父親の現実もある

現実の家庭では、こんなケースもよくあります。

  • 平日は朝から晩まで仕事
  • 帰宅は遅く、育児に関わる時間が少ない
  • 休日は体力を回復したい

この状態を
「育児に参加していないから、子どもに悪影響」
と一括りにするのは、かなり無理があります。

育児にあまり関われていなくても、
子どものことを大切に思っている父親はたくさんいます。

育児不参加=無関心ではありません。

海外の研究は、日本の家庭と前提が違う

よく引用される育児研究の多くは、海外の家庭をもとにしています。

でも、日本の家庭には、日本独特の事情があります。

  • 長時間労働が当たり前になりやすい
  • 父親の育児参加が制度的・文化的に難しい
  • 役割分担の考え方が違う

前提条件が違う以上、
研究結果をそのまま日本の家庭に当てはめるのは無理がある部分もあります

研究結果は「判決」ではない

研究結果は、
「父親が育児しないとダメ」
という判決ではありません。

あくまで、平均的な傾向の話です。

あなたの家庭は、
研究の中の「平均」ではなく、たった一つのケースです。

今の家庭の状況、
親子の関係、
日々の積み重ね。

そうした現実のほうが、ずっと大切です。

研究を知ったせいで、
自分や家族を責めなくて大丈夫。

研究はヒント程度に受け止めて、
今の家庭をちゃんと見て判断していい。

この記事が、
少しでもその不安を軽くする助けになれば嬉しいです。

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