「無痛分娩って実際どうなの?」
「本当に痛くないの?いつ麻酔を入れるの?」
──妊娠中の私が、一番検索していたテーマがこれでした。
2023年、聖路加国際病院で無痛分娩(硬膜外麻酔)を選び、娘を出産しました。
麻酔はかなりよく効いた“ほぼ完全無痛寄り”のケースでしたが、そこに至るまでには丸一日かけた長丁場があり、「痛みゼロでラクに終わった」という単純な話ではありません。
この記事では、
- 当日のタイムライン(前駆陣痛〜出産まで)
- 麻酔が効く前の「一番つらい時間」
- 麻酔が効き始めてからの体感の変化
- 無痛でも普通にしんどいポイント(食事・尿カテ・出産直後)
を中心に、「当日どう動くのか」「何がつらく、何が助かるのか」を実録ベースでまとめています。
なお、無痛分娩の費用や入院生活の詳細は別記事でまとめているため、ここでは無痛分娩レポ専用としています。
当日の流れ:陣痛〜出産まで「丸一日がかり」だった話
この日は妊娠40週1日。
前駆陣痛レベルから始まり、前駆〜本陣痛〜出産までトータルほぼ24時間コースのお産でした。
AM1:00|いつも通りの前駆陣痛かな?
「また前駆陣痛っぽいな」というレベルの痛みがスタート。
この時点では自宅で様子見。AM4:00|10分おきの痛みが2時間 → 病院へ電話
10分間隔の痛みが2時間続いたので聖路加に電話。
「来てください」と言われ、そのまま受診へ。AM5:00|診察・CTG【子宮口3cm】
問診とCTG(お腹の張り+赤ちゃんの心拍モニター)。
この時点で子宮口は約3cm。AM5:30|LDRへ移動し、入院決定
「本陣痛ですね」ということでLDRへ。
入院グッズ一式を受け取り、そのままLDRで過ごすことに。13:00|【子宮口4cm】痛いのに、進みはゆっくり
それなりに痛いけれど、子宮口はまだ4cm。
バランスボールや乳頭マッサージで、お産の進みを後押し。15:00|【子宮口5cm】そろそろ無痛にしたいレベル
「さすがにそろそろ無痛に切り替えたいかも…」と思うくらいにはしんどい痛み。
まだ「ギリ耐えられる」ゾーン。15:30|トイレに行ったら破水
お手洗いに行ったタイミングで、水風船がはじけたような感覚で破水。
ここから一気に痛みが加速。16:00|【子宮口6cm】痛みが一気にMAX → 麻酔科医コール
破水後、痛みのレベルが一段階どころか数段階アップ。
「人生で一番痛い時間」に突入し、無痛分娩の麻酔を正式にお願い。16:30|麻酔科医到着、処置準備
麻酔科医がLDRに到着し、硬膜外麻酔の準備。
陣痛中に体勢を固定するのはなかなかハードですが、「ここを越えれば…」と耐える時間。17:00|硬膜外麻酔を入れてもらう
到着〜準備〜処置完了までで約1時間半。
この「効く前〜処置中」の時間が、出産全体で一番つらかった部分でした。17:15|麻酔が効き始める → 一気に世界が変わる
少しずつ痛みがスッと引き、「張りはわかるけど、痛みはほぼゼロ」の状態に。
途中、胎児心拍が一時的に低下し酸素マスク・帝王切開の説明・事前検査も受けましたが、結果的に心拍は戻り、そのまま経腟分娩で進みました。19:30|【子宮口9cm】ほぼ全開だが、痛み10段階中1
陣痛の波は張りとしてはわかるものの、「痛み」としてはほぼ感じない状態。
15〜30分ほどウトウト仮眠できるくらいに落ち着きました。20:00|【子宮口全開】あとはいきむタイミング待ち
子宮口全開。
いきむタイミングが来るまで、ひたすら体力温存。21:30|いきみ開始
CTGで陣痛の波を見ながら、産科医・助産師の「今いきんで!」の合図でいきみ開始。
麻酔が効いているので、「痛みに耐える」より「いきみに集中」という感覚でした。22:30|無事出産
娘が無事誕生。
赤ちゃんはバイタルチェック・身体拭き・身長体重測定などへ。
ママ側は胎盤娩出・会陰切開の縫合・出血量の確認が続きます。
前駆陣痛から数えると、まさに丸一日かけた戦い。
無痛分娩=「ラクなお産」ではなく、痛みのピークを短くしつつ長丁場を戦い抜くための選択だと感じました。
麻酔の効き方:私の場合は「ほぼ完全無痛」だった
麻酔が効いている間は「痛みゼロ&張りだけわかる」状態
「効き方は人による」と何度も聞いていたので不安でしたが、私はかなりよく効くパターンでした。
- 陣痛の痛み自体はほぼゼロ
- 「10段階でどれくらい?」と聞かれたら1いくかどうか
- 張りはわかるので「今陣痛来てるな」は把握できる
- 子宮口全開でも、仮眠できるくらいリラックスできた
前日からほぼ徹夜で、朝4時に病院到着 → 22時半出産だったので、
この15〜30分のうつらうつらタイムは、体力的にかなり助かりました。
一番しんどかったのは「麻酔が効く直前の1時間」
とはいえ、「無痛だからずっと楽」では全くありません。
- 破水〜子宮口6cm前後で、痛みが一気にMAXゾーンへ
- 麻酔科医を呼んでから、効き始めるまで約1〜1.5時間
- その間ずっと、「まだ無痛じゃないのに陣痛だけMAX」状態が続く
個人的には、この「麻酔が効く直前〜処置中の約1時間」が人生で一番痛かった時間でした。
無痛分娩中の過ごし方(LDR・食事・トイレ)
LDRで、陣痛〜分娩〜直後2時間まで完結
聖路加では、LDR(陣痛・分娩・回復を同じ部屋で行う個室)で
- 陣痛中
- 分娩
- 出産直後の約2時間
をそのまま過ごします。
完全個室なので、声を出しても他の妊婦さんの目は気にならず、精神的にはかなりラクでした。
飲食はかなり制限される/つらいのは「体力」より「腹の減り」
無痛分娩中は、誤嚥リスクなどの理由で飲食に制限があります。
「飲んでいいもの/ダメなもの」はLDRの張り紙に一覧がありました。
- 麻酔中は基本お粥程度まで
- 点滴で最低限のエネルギー補給はされているので、倒れそうな感じではない
- とはいえ丸一日ほぼ何も噛まないので、メンタル的にはかなりお腹が空く
「体力が尽きて倒れそう」というより、「普通のものを食べたいのに食べられない」が地味にきついという感覚でした。
トイレは尿カテが基本/産後も一晩だけ継続してもらった
無痛中は下半身の感覚が鈍くなるため、自力で歩いてトイレに行くことはありません。
- LDRのベッド上で、尿カテ(カテーテル)を膣から入れて排尿
- タイミングは助産師さんがこまめに確認してくれる
- 排尿処置中は夫は部屋の外に出るようになっていて、羞恥心はだいぶ軽減
私はさらに、
- 会陰切開の初めてのトイレが怖すぎて
- 産後(夜中)〜翌朝まで尿カテ継続をお願いしました
翌朝、勇気を出してトイレに行ってみると縫合はきれいで問題なし。
「怖いので一晩だけカテーテルを続けたい」と伝えたらきちんと対応してもらえたので、
不安は遠慮せず言葉にした方がいいと感じました。
出産直後〜LDR退出・個室移動まで
「産んだら終了」ではなく、そこからさらに1〜2時間バタバタ
22:30ごろ出産しましたが、その後1〜2時間はまだ忙しい時間が続きます。
- ママ:胎盤娩出、会陰切開部分の縫合、子宮収縮・出血量チェックなど
- 赤ちゃん:バイタルチェック、身体拭き、身長・体重測定など
娘は羊水を多く飲んでいて呼吸がしにくい状態だったため、一旦新生児室で小児科医・助産師に見守ってもらうことになりました。
無痛でも「スタスタ歩ける」わけではない
無痛分娩=痛みゼロで産んで、そのままスタスタ歩いて帰る、というイメージを持たれがちですが、正直かなり美化されたイメージです。
- 経腟分娩である以上、出血はそれなりにある
- 丸一日かけて陣痛〜分娩をしているので、全身的には普通にヘロヘロ
LDRを出る前には、
- ベッドから起き上がれるか
- 立ち上がって、ふらつかずに数歩歩けるか
をスタッフさんと一緒に確認しました。
問題なさそうだったので、私は自分の足で個室まで歩いて移動。
車いすのママも多いと思いますし、きつければ遠慮なく車いすをお願いしていいと思います。
個室へ移動してからは、自力でお手洗いができるかも確認されます。
経腟分娩&会陰切開後の初トイレはハードルが高いですが、
ここを越えると一気に「普通の生活」に近づく感覚がありました。
この先の入院生活・母子同室・個室での過ごし方は、別記事(入院レポ/費用まとめ)で詳しく書いています。
聖路加で無痛分娩を受けるための事前準備
最後に、「当日いきなり無痛で」はできないので、事前準備の流れもざっと整理しておきます。
① 妊婦健診のときに、早めに「無痛希望」を伝える
まずは妊婦健診で、担当医に「無痛を希望している」旨を伝えるところからスタートしました。
- 「絶対無痛で!」と言い切らなくても、「検討しています」レベルでOK
- 聖路加は実際に麻酔を打った場合のみ、無痛分娩の追加費用がかかる方式
- 結果的に自然分娩になった場合、麻酔を使わなければ追加費用は発生しない
なので、迷っている人ほど「とりあえず希望は出しておく」が安全だと思います。
② 無痛分娩クラス動画を自宅で視聴
両親学級などで、助産師さんから
- 無痛分娩クラス動画のURL
- 無痛分娩のパンフレット
を受け取り、自宅で視聴しました。
内容は、
- 硬膜外麻酔の仕組み
- メリット・デメリット
- 「痛みゼロを100%保証するものではない」という説明
など。
ここでイメージを掴んでおくと、当日の「こんなはずじゃ…」を減らせます。
③ 妊娠36週ごろの麻酔科外来で、リスク説明&同意書サイン
妊娠36週前後で麻酔科外来を受診し、麻酔科医・看護師による問診と診察を受けました。
- 自分の既往歴・手術歴
- アレルギーの有無
- 家族に麻酔トラブルがあった人がいるか
家族の既往歴も聞かれるので、事前にメモしておくとスムーズです。
ここで、
- 無痛分娩のリスク
- 麻酔を入れるタイミングや方法
- 効き方に個人差があること
などの説明を受け、問題なければ同意書にサイン。
これを済ませておくことで、当日は「本陣痛が来たら麻酔をお願いできる状態」になります。
逆に言えば、この準備がないと、当日に「やっぱり無痛で」は選べません。
2回目(2025年)の「部分無痛」との違いからわかったこと
この記事は1人目(2023年)の「ほぼ完全無痛」レポ専用ですが、
2人目(2025年)の同じ聖路加・同じ無痛分娩は、かなり違う体験でした。
- 2023年(1人目):ほぼ完全無痛
陣痛の痛みはほぼゼロ。張りだけわかる。 - 2025年(2人目):骨盤周りの「骨の痛み」が残る部分無痛
陣痛の波はかなり抑えられたものの、骨盤系の痛みはしっかり残った。
同じ病院・同じ“無痛”でも、麻酔の効き方次第で体験は全く別物になる——というのを身をもって実感しました。
2回目の無痛分娩については、別記事で比較レポを書く予定です。
まとめ|「無痛だから楽」ではなく、「長丁場を戦うための選択」だった
- 前駆陣痛を含めると、陣痛〜出産まで丸一日がかりの体力勝負だった
- 一番つらかったのは、麻酔が効く直前〜処置中の約1時間で、ここは本気で「人生で一番痛い時間」だった
- 麻酔が効いてからは痛みほぼゼロ・張りだけわかる状態になり、仮眠できるレベルまでラクになった
- そのおかげで、子宮口全開からはいきみに集中でき、お産自体はスムーズに進んだ
- 無痛でも経腟分娩なので、出血や疲労はそれなりにあり、「スタスタ歩ける」ほど元気ではない
- トイレ・会陰の痛みなど、無痛でも普通にしんどい部分はあるが、きちんと伝えれば鎮痛やケアを調整してもらえる
それでもトータルで見ると、「無痛分娩、迷っていたけれど本当にやって良かった」というのが正直な感想です。
特に、
- もともと痛みに弱い
- 里帰りなし・夫育休なしなど、産後すぐからある程度動く必要がある
といった条件の人にとって、現実的で心強い選択肢になると感じました。
聖路加で無痛分娩を検討している方の、「当日って実際どうなるの?」を具体的にイメージする材料になればうれしいです。
費用の詳細や入院生活のリアルは、別記事でまとめていますので、そちらもあわせてチェックしてみてください。



