2023年3月、東京都中央区にある聖路加国際病院にて無痛分娩で娘を出産しました。
今回は、聖路加国際病院での出産経験の中でも、無痛分娩をメインにした記事を書いていこうと思います。
無痛分娩とは
無痛分娩とは、分娩の痛みを緩和する分娩方法の一つです。
分娩の痛みを緩和する手法はたくさんあるようですが、「硬膜外麻酔」と呼ばれる、脊髄の硬膜の外側に麻酔薬を投与する方法が無痛分娩で一般的な麻酔法のようです。
聖路加国際病院での無痛分娩費用は?
聖路加国際病院での無痛分娩費用は一律15万円です。
麻酔を打った時点から費用が発生しますし、麻酔効果が不十分であっても無痛分娩費用は一律にかかります。
麻酔をしている時間での延長料金や深夜・休日などの割り増し料金はないです。
聖路加国際病院で無痛分娩をする際の注意点
希望は早めに伝えておく
聖路加で無痛分娩を実施する際は、無痛分娩クラス動画視聴や無痛分娩の同意書が必要なため、出産当日になって事前準備なしに「やっぱり無痛分娩で…!」ということができません。
聖路加では麻酔を打った場合にのみ、無痛分娩費用の15万円が加算されるシステムです。なので、無痛にするかどうか悩んでいるのであれば、とりあえず無痛分娩の希望だけ伝えておくことをおすすめします。
無痛分娩を実施するまでにやったことはこちら。
- ステップ1担当の産科医師に無痛分娩の希望を伝える
- ステップ2無痛分娩クラス動画の視聴
両親学級などで助産師より無痛分娩クラス動画を視聴するよう、視聴用のURLと無痛分娩のパンフレットが渡されます。
ちなみに視聴は病院ではなく、自宅など好きな時に好きなタイミングでできます。 - ステップ3妊娠36週目頃に麻酔科外来を受診
麻酔科医・看護師が既往歴や手術歴、アレルギーなど問診・診察を行います。
家族の既往歴の確認もあるため、メモをしておくとスムーズそうでした。
この時に無痛分娩のリスクやどのように麻酔を入れるか、注意点も説明を受け同意書にサインもします。 - ステップ4本陣痛が来たら、麻酔を投入
麻酔を打つタイミングは本人が好きなタイミングで決められます。子宮口が5cm開いたときが理想のようですが、私はわからなかったので助産師さんのお任せで麻酔科医を呼んでもらいました。
痛さが完全に取り除かれるわけではない
麻酔効果は人によるようですが、私の場合は麻酔中は全く痛くありませんでした。
あと当たり前ですが麻酔をするまでは麻酔なしと同じ状況で陣痛の痛みがあるため、どのタイミングで麻酔を打つか?というのは重要になってきます。
麻酔効果は人によると言われビクビクしながら麻酔を受けましたが、私は子宮口全開時でも仮眠ができるくらいバッチリ効いてました(笑)
15分程の仮眠でしたが、前日晩から一睡もできずに朝4時に病院到着→22時半に出産…という長めのお産だったのでとてもありがたかったです。
無痛分娩中の過ごし方
無痛分娩中はLDRのベッドの上で過ごします。
LDRとは陣痛から分娩、産後の回復までを行う部屋のことです。完全個室なので陣痛が痛くても一目を気にせずにお産に集中できるのはありがたいですね。
水やスポドリ、ジュースなどを含む飲食も制限されていますが、飲んで大丈夫なもの・ダメなものはLDRの張り紙に書かれています。
お手洗いもベッドの上でカテーテルのようなものを膣に入れ排出です…。
こまめに助産師さんが様子を見に来てくれて、排尿時は夫は外に行くよう指示されてたので女性の尊厳は維持されます(笑)
麻酔科医が不在の場合は無痛分娩が受けられない
無痛分娩には、自然の陣痛が来てから麻酔を入れるものと、計画無痛分娩と呼ばれる分娩の日取りを計画的に決めて自然の陣痛を待たずに、点滴や薬を用いて分娩を進行させるものがあります。
聖路加では基本的には自然の陣痛が来てから麻酔を入れるタイプのため、緊急オペなどが立て込んでしまった等で麻酔科医が不在の場合は無痛分娩が受けられないようです。
【聖路加国際病院での出産】私が無痛分娩を選んだ理由
無痛分娩費用だけで15万かかるためかなり迷いました。
元々痛みにかなり弱いことが一番ですが、その他にも緊急帝王切開切り替えがスムーズなこと、産後の回復が早いこと、里帰りなし・夫育休なしだったので余裕をもって育児をしたかったため、無痛分娩を希望することになりました。
【出産レポート】陣痛~出産までの道のり
- 3/3 AM1:00いつも通りの前駆陣痛かな?
当日時点で私の妊娠週数は40週1日です。
- 3/3 AM4:00病院へ連絡して病院へ
10分起きの痛みが2時間経過したところで病院へ連絡し、来てくださいと言われ到着。
- 3/3 AM5:00産科医師による問診・CTG計測【子宮口は3cm】
10分おきに前駆陣痛のような痛みがずっと続くなか、問診・CTG計測。
- 3/3 AM5:30LDRに案内される
CTG計測により本陣痛きてますねということでLDRに案内。
ここで入院グッズセットをもらう。 - 3/3 13:00【子宮口は4cm】痛みは変わらない
お産を進ませるため、バランスボールで軽いエクササイズをしたり、助産師さんによる乳頭マッサージを受けました。
- 3/3 15:00【子宮口は5cm】ちょっと痛くなってきた
- 3/3 15:30お手洗いに行ったら破水
まさに水風船がはじけた感じでした。
- 3/3 16:00【子宮口は6cm】絶大な痛み
麻酔科医を呼んでもらう - 3/3 16:30麻酔科医到着
- 3/3 17:00麻酔を打ってもらう
麻酔科医が到着するまで・到着してからの準備で私の場合は打つのに1時間半ほどかかりました。
- 3/3 17:15麻酔が効き始める
18:00頃に胎児心拍が低下したため酸素マスク装着をし、緊急帝王切開の説明を医師から受けたり、帝王切開のための事前検査を受けたりしました。
(結局胎児心拍が戻ったため帝王切開には至らずに自然分娩で終わります) - 3/3 19:30子宮口が9cmに、麻酔が効いて痛みほぼなし
痛みは完全にあるかと言われたら10点中1点行くかなくらいなので完全に取り除けたわけではなかったです。
- ラベル子宮口が全開に、麻酔が効いて痛みほぼなし
- 3/3 21:30産科医師の指示に従っていきみはじめる
CTG計測はずっとしており、陣痛の波に乗っていきみはじめました。
- 3/3 22:30無事出産
出産後ひと段落…というわけにもいかず、ママの胎盤を出す作業を産科医にやってもらいました。
産まれた赤ちゃんは助産師さんの方がバイタルをチェックしたり、きれいに体をふいてたりしていました。
前駆陣痛も含めると、丸一日かけた戦いでした。
無痛分娩の麻酔が効いてからはかなりラクになり、仮眠ができるほどでした。仮眠といっても15~30分ほどうつらうつらする程度でしたが、出産直後はもうランナーズハイのような興奮状態で眠れなかったため、正直なところこの仮眠はとても助かりました。
痛みに関しては、無痛分娩の麻酔がきく直前の1時間は人生の中で死ぬほど痛かったです。
無痛分娩、迷ってましたがマジでやって良かった…に尽きます。
スタッフさんがとっても優しくて繊細な私にはありがたい優しい空間でのお産でした…。
出産してから入院まで。入院用の部屋にはいつ案内される?
出産直後はママも赤ちゃんも医師・助産師さんがつきっきり
出産直後はひと段落…と思いきや、ママは医師が胎盤を出す作業や会陰切開があったため縫合したり。赤ちゃんは産まれた直後は助産師さんがバイタルチェックからはじまり、からだをきれいに拭いたり、体重・身長測定をしたりと、母子ともに産後1~2時間はバタバタしていた印象でした。
私の場合ですが、赤ちゃんが羊水をかなり飲んでいて呼吸がしにくく要経過観察という状況だったため、赤ちゃんが新生児室に連れていかれ、小児科医たちに見守られていました。
ママ・赤ちゃんともに問題なし!産後数時間でママは入院病棟の部屋へ
出産してから数時間後。私が出産したのが22時半ごろだったので深夜1時頃にLDRを退出するように伝えられ、荷物をまとめて入院病棟の部屋に案内されました。
LDRと入院病棟は同じ3階で少し距離はあるため、車いすで移動するか案内されましたがまだ体力があったので歩いて向かいました。
ちなみに聖路加では病気などで入院している患者と、妊娠・出産で入院している患者とはエリアがわけられています。そのため、入院病棟の廊下では聖路加のスタッフ以外だと産後のママとその家族のみしか行き来がしないのと、入院病棟に入るためにはセキュリティキーが必要なので防犯面などはかなり安心できます。
翌朝。母親学級が10時頃にあり、母子同室スタート!
聖路加は出産してから母子同室とありますが、実際に母子同室がスタートするのは出産した翌朝にある母親学級が終わってからでした。
生まれてからそれまでの間、赤ちゃんは新生児室で助産師さん数名体制で見てくれるので安心して預けられます。
母親学級ではオムツの交換の仕方や、コット(赤ちゃん用のベッド)の簡単な説明がありました。母親学級は誕生日が同じ赤ちゃんのママも一緒に受けられますが、みなさんパジャマにすっぴんなので安心してくださいね。
【出産レポート】全体的な感想
全体的な感想を箇条書きでまとめてみました。
- 無痛分娩の麻酔科医を呼んでもらうから聞き始めるまでの1時間が出産の中で長くて苦しい時間だった
- 麻酔が効いてからは仮眠できるレベルまでリラックスできた
- 麻酔が効いてたので、子宮口全開からは”いきむ”ことだけに集中できてスムーズにお産が進んだ
- スタッフさんが皆温かい人で本当に助かった
いかがでしたでしょうか?参考になれれば嬉しいです。
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